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徒然日記

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メルクリエフ・インタビュー(後)

アンドレイ・メルクーリエフのインタビュー後半です。


Q:「あなたの優れた労働能力については伝説になりつつあります。ワンシーズンの間に15の初演、一日に4つのリハーサルなど・・・」

A:私はいつもたくさん踊りたいと思っていました。もちろん良くないことですが、ダンサーの誰かが病気になるか、役を断るかして、その役に私を就かせてくれたらと夢見ていました。舞台まで1日、数時間で私は踊りこなせるだろうと思っていました。現在この情熱は少しおさまり、年を重ねるごとに他のことを考え始めました。私は独身で結婚していないということです。両親やスィクティフカルをより恋しくなるようになりました。我々の職業の寿命は長くないと思っています。38歳で年金受給者ですから。


Q:「スィクティフカル、ペテルブルグマールイ劇場、マリンスキー劇場、ボリショイ劇場、いたるところであなたはソリストとして主要な役を踊っていらっしゃいます。今まで全く脇役がなかったという印象があるのですが・・・」

A:何をおっしゃいますか!いつだったか、私はワルツの4人の踊りを踊りました。主役以外の役の現在私にはたくさんありますが、それらもソロの役です。例えば「海賊」では、私は主役ではありませんが、舞台の後に私の元へ来て、「初演の幕を閉めることは凄いことだ。」と言われるほど、舞台ではこの役は大変際立っていて輝かしいものなのです。



Q:「大きな舞台へ出るために、地方の人は何をする必要がありますか?」

A:輝いているということを恐れないことです。私はウファで学んだので、私の芸風・舞踊術がペテルブルグの学校とは異なっているということを知っています。しかし、これはコンプレックスではなく、反対に自分の数取り(点数)だと考え、それを見せるためにそれを引っ張りだしています。決しえ「いいえ(NO)」や「これ以上できない」などと言う必要はありません。どんなにこれが冷たく聞こえたとしても、自分を売ることができないといけないのです。観客は、広く宣伝され高く評価されたダンサーを観に来たのに、実際に舞台でそのダンサーは・・・」ということがないように賢く自己プロデュースするということを学ばねばなりません。


Q:「あるインタビューで、あなたはこうおっしゃっていました。《私は初演まで成長し、レベルを維持し、普通の一人間のままでもいなければならないということを知っています。》それはうまくいきましたか?有名病(スター病)はもう過去のものですか?」

A:有名病(スター病)は私には一度もありませんでした。人はある一定の高さに達したとき、人々を軽蔑し、彼らで足ぬぐうようになります。これは恐ろしくひどいことですが、残念ながらこれは珍しいことではありません。私にとって、コールドダンサーも主役も違いはありません。ただ誰かが少し運がいいだけなのです。
私は様々な家・場所を訪れます。居酒屋と呼ばれるようなところにも行きます。そこで私は少しも緊張などしません。私はそこで皿洗いをすることも出来ますが、それによって王冠はおちたりしません。



合同ガラで来日した際の『ダンツァ』のインタビューを読んだときも思いましたが、彼はピュアな人なんだなと思います。このインタビューは、故郷とバレエに対す想いと誇りで溢れています。
「大きな舞台へ出るために....」という質問の答えが、アンドレイが舞台上でいつも輝いてる秘訣なのでしょうか?
by yunyu-a | 2008-04-25 18:59 | merkuriev | Trackback | Comments(4)
Commented by 森 & 田中 at 2008-04-26 10:09 x
yunyu-aさま いつも貴ブログ楽しく拝読しています。 森&田中です。
このインタビューは我々も自動翻訳にかけて読んでいましたが、やはり自動翻訳には限界があるので、「王冠を落とさず皿洗いをする」ですとか、「両親やスィクティフカルをより恋しくなるようになりました」といった細部までは理解していませんでした。

今回yunyu-aさまと、ご協力者のロシア語通訳の方のご好意で、内容を100%把握できたことをとても嬉しく思います。どうもありがとうございました。
Commented by 田中 at 2008-04-26 10:12 x
yunyu-aさま、今度は田中一人よりのメッセージです。
中越沖地震ガラのチラシが配られ始めたようですね。
チラシ裏面に使われているメルくんの顔写真もアンジェラ加瀬さん撮影の物のはずです。
私がトリノからロンドンに戻る途中で、アンジェラさんに見せていただいた(3種類違う服を着て撮られた)ファッション・ポートレートの一つで、濃紺のノースリーブのセーラーカラーのニットを着ているシリーズの1枚だと思います。
この服を着た写真は上半身を強調してとられたものが多く、身長190センチぐらいに見えるので、アンジェラさん曰く、メルくん「本人はとても気に入っているみたい。」とのことでした。「でもお稽古の後で、疲れていたのか、表情がちょっと、というのが多いでしょ?でも本人は大好きなのよね。」と言っておられました。チラシでは、お洋服や強調された上半身が見えず残念ですね。
Commented by yunyu-a at 2008-04-26 20:10
森&田中様
いつもコメントをありがとうございます。
自動翻訳だと何だか良く分らない部分ありまよすよね。全てを理解したく、翻訳してくれる方を探していました。私のお願いに興味を持って下さった方が、バレエの通訳もされるということで、快く引き受けていただいたのです。
森&田中さまにも、喜んでいただけて嬉しいです。
Commented by yunyu-a at 2008-04-26 20:17
田中様
チャリティ・ガラのチラシが、出回りはじめましたか。naomiさまのブログで拝見しましたが、あの顔写真はアンジェラさんが撮られたものなんですね!アップすぎて、何を着ているのか全然分らないのが残念です。そういわれてみると、表情が少しお疲れかなという感じします。
来月は、新国立劇場に行くのでチラシを物色しなくては(^_^;)

くま好きによる動物園で撮影した写真と、日々の出来事、バレエのお話を綴ります


by yunyu
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